% %このファイルはヒューマンインタフェースシンポジウム用スタイルファイル %hissymp.sty(ver.1.0) を利用した「原稿執筆の手引き」です. % %ご使用の環境に合わせてコメントアウトして下さい. %\documentstyle[epsbox]{hissymp} %\documentstyle[epsbox]{ehissymp} \documentstyle[epsf]{hissymp} %\documentstyle[eclepsf]{hissymp} %\documentstyle{hissymp} %epsfile を取り込めない環境でしたら \epsfile{\file… % %をはずしてください. %和文タイトル \jtitle{塩味センサによる調味支援} %著者日本名 \jauthor{ 村上愛淑\thanks{お茶の水女子大学 人間文化研究科}, 早樋沙織\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark, 鈴木優\thanks{筑波大学大学院 システム情報工学研究科}, 佐藤修治\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark, 三末和男\addtocounter{footnote}{-2}\footnotemark, 田中二郎\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark, 椎尾一郎\thanks{お茶の水女子大学 理学部 情報科学科} } %英文タイトル \etitle{Remort seasoning support using salt-sensor} %著者英文名 \eauthor{ Megumi Murakami\thanks{Graduate School of Humanities and Sciences, Ochanomizu University}, \ Saori Hayahi\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark, \ Yu Suzuki\thanks{Graduate School of Systems and Information Engineering, University of Tsukuba}, \ Shuji Sato\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark, \ Kazuo Misue\addtocounter{footnote}{-2}\footnotemark, \ Jiro Tanaka\addtocounter{footnote}{-1}\footnotemark,\ and Itiro Siio\thanks{Department of Information Sciences, Faculty of Science, Ochanomizu University} } % 名前は,はじめの一文字だけ大文字にしてください. \begin{document} %maketitle は abstract と keyword の後に入れてください. \begin{abstract} This paper describes a remote seasoning system using a salt sensor. The system supports people in a distant place to cook foods of the same taste. We have been developing a computer augmented kitchen system, Kitchen of the Future. The applications developed for the kitchen include remote cooking instruction system using TV conference software. One of the problem of the system is that it is difficult to explain seasoning by conventional audio or video devices. To solve the problem, we have developed a salinity sensor that measures electrical resistance and temperature of foods such as soup. Sensed salinity of foods in a distant is transfered to a server in the Internet. People in a remote kitchen can see the difference of salinity each other, and can season their foods in the same taste.\end{abstract} \begin{keyword} キッチン,塩味センサ,遠隔料理教室,味覚,コミュニケーション \end{keyword} \maketitle %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{はじめに} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 正確に味を伝えることは出来るのだろうか. 例えば, 遠隔地に居る友達同士が電話を使って作り方を伝えながら 同じ料理を作る場合,味加減を言葉で伝えることは難しい. また,料理本を見ながら料理を作る場合は, 〜少々・適量などの表現から,本の著者と同じ味付けの料理を作ることは 困難である. このように,空間や時間を隔てて味付け情報を伝えることは困難である. 本研究室では,コンピュータを組み込んだ未来のキッチンシステム, Kitchen of the Futureの開発を進めている. このシステムは, 市販のキッチンにディスプレイ,フットスイッチ,カメラ,マイクロフォン を組み込んだもので, 遠隔地とTV会議によりコミュニケーションや学習を支援する等の アプリケーションが開発された\cite{Kitchen:wiss2005}\cite{Kitchen:CHI}\cite{Kitchen:wiss2004} . このアプリケーションを使って, 遠隔地\footnote{玉川大学(東京都町田市)と公立はこだて未来大学(北海道函館市)} に置かれた2つのキッチンを 結んで調理の方法を伝える実験が行われた\cite{Kitchen:wiss2004}. この実験によって,料理の作り方や手順を伝えることは 可能であった.従来のテレビ会議システムでは, 調味料の種類や割合などにより間接的に味を伝えることが出来ても, 食材の量や個体差,調味料の製造元の違いなどにより 影響を受ける味の濃さを伝達することが出来なかったのである. 我々は,料理の味の濃さを測定すれば,遠隔地を結んだ調理支援がスムーズに行えると考えた. 基本的な味の種類は甘味,塩味,うま味,苦味,酸味の5つで, その中でも塩は, 最古の調味料であることが分かっている \cite{Sio}\cite{AJI}\footnote{http://hippo.med.hirosaki-u.ac.jp/sasakin/nao-h/salthealth.htm}. また,人間の体液・羊水のミネラル成分構成は 海水と非常に似ており, よって塩分は体に必要不可欠なものだと言われている\footnote{http://www.hakumatsu.co.jp/Hakumatsu-HP/history.htm}. 上記より,塩の重要度の高さが分かる. 加えて, 塩分濃度は電気抵抗の測定により比較的容易に測定することが可能である. そこで,我々は味の濃さの指標として塩分濃度を測定することにした. 塩分濃度は食材中の電気抵抗を測定することにより 数値化することが可能である. この情報をネットワーク経由で共有することにより, 遠隔地の人と調理をする際, コミュニケーションをとりながら同じ味の料理を作ることが出来る. また,インタラクティブなマルチメディア料理指導コンテンツの 閲覧プログラムに本システムを導入すれば, 料理専門家が意図した通りの味の濃さの料理を作ることが 可能であると考える. 本研究では, 塩分濃度を測定するセンサを試作し, 遠隔地にあるキッチンを結んで調味する実験を行ったので報告する. %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{塩味センサ} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% 食材中のイオンは主に電離した食塩によって移動するので, 電気抵抗率は,塩分濃度によって変化する. 食材中に一対の電極を挿入し,その二極間の電気抵抗値を測定することで, 食材の塩分濃度を知ることができる. また, 塩分濃度が高くなるにつれ,電気抵抗値が低くなることが知られている. しかし, 電気抵抗は食材の温度の影響も受ける. そこで,我々は, 鍋や食器に入っている液体状の料理の塩分濃度を測定するために, 電気抵抗と温度を測定する塩味センサを開発した. センサはエンジニアリング・プラスティックの細いパイプの先端に, 塗料・電気絶縁材・接着剤として使用されているエポキシ樹脂を用いて 電極プラグを接着したものである. 内部には温度センサ\footnote{ナショナルセミコンダクタ社製 LM35DZ}が設置されており, 食材の電気抵抗値,温度両方を測定することが可能である. なお,耐熱性も考慮し,部材には耐熱100℃以上の物のみを使用 している. 電極間に直列接続した抵抗には, 測定対象の電気抵抗率に比例した電圧が出力される. また,温度センサからは,温度に比例した電圧値が出力される. これらの電圧値をAD 変換して, シリアルポート経由でパーソナルコンピュータ(PC)に取り込むユ ニットを, PIC-BASIC \footnote{ http://picbasic.jp/ マイクロチップ・ テクノロジー社製 PIC16F877に BASICインタプリタを 組み込んだワンチップマイクロコンピュータ. } で作成した. PIC-BASIC には多チャンネルのAD変換器が内蔵されており, PCとシリアル通信することが可能である. AD変換された電気抵抗と温度の数値情報は, それぞれを区別するアルファベットを行頭に付加して, 交互に一行ずつ,シリアルポートから無手順で出力する. 試作した塩味センサを使って,塩水の電気抵抗値,温度,濃度の 関係を測定した.この一部を,図\ref{fig:temp}に示す. この関係を利用して,PICから送られる抵抗値と温度情報に対して, PCで補正計算を行い,実際の塩分濃度を計算する. \begin{figure}[h] \begin{center} %\epsfile{file=temp.eps,width=70mm} \epsfxsize=80mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{temp3.eps} \caption{塩水の電気抵抗と水温の関係} %和文 caption \ecaption{Relation between temperature and electrical resistance in salt water.} %英文 caption \label{fig:temp} \end{center} \end{figure} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{figure}[tb] \begin{center} %\epsfile{file=block.eps,width=70mm} \epsfxsize=80mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{block2.eps} \caption{遠隔調味支援システムの全体図} %和文 caption \ecaption{Overview of the remote seasoning support system.} %英文 caption \label{fig:block} \end{center} \end{figure} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% %バーグラフは0〜1023までの電圧値に対応した数値を読み, %塩分濃度が上がると電圧値が上がる仕組み %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{遠隔調味支援システム} 前節の塩味センサにより得た塩分濃度を 遠隔地にある2カ所のキッチン間で伝達し, それぞれで同じ濃さの調味ができるシステムを試作した.. 塩味センサで得られた塩分濃度の情報は, 遠隔地から参照することが出来るように, WWWサーバ上にテキストファイルとして格納する. これを図\ref{fig:block}に示す. P2P方式ではなく,HTTPによる相互参照を利用した理由は, 本システムが実際の家庭などで利用されることを考慮したためである. キッチン用PC がグローバルアドレスを持つことは稀であるの で, 外部のサーバが必須であろうと考えた. また,一般のファイヤウォールは, HTTPだけは通過可能なように設定されることが多いので, 利便性の点からも,WWWサーバを利用することが適していると 考えた. 加えて,WWWサーバを利用する方式では, 通常のWWWブラウザでサーバの状態をモニターできるので, システムのデバッグなどが容易であるメリットもある. WWWサーバ上のテキストファイルに塩分情報を書き込むために, PHPプログラムを作成し利用した. 現在は単純に書き込む機能だけを提供しているが, 将来はセキュリティ,データベース機能などの機能拡張が可能である. 遠隔地に置かれたキッチン用PCには, それぞれJavaプログラムが稼働している. これらは,シリアルポートから塩分濃度情報を取得し, WWWサーバにHTTPで接続して,PHPプログラムにデータを送信する. PHPプログラムは, 受け取ったデータを同じWeb上にあるテキストファイルに 書き込む. サーバには,遠隔地のキッチンのそれぞれ2カ所に対応した 2個の,塩分濃度情報を記したテキストファイルが保存される. %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{figure}[tb] \begin{center} %\epsfile{file=graph2.eps,width=70mm} \epsfxsize=80mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{bar.eps} \caption{遠隔地キッチンの食材の塩分濃度を表示するバーグラフ.} %和文 caption \ecaption{Graphical display of salinity of foods in distant kitchens.} %英文 caption \label{fig:bargraph} \end{center} \end{figure} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% Javaプログラムは,また, WWWサーバから遠隔地の塩分濃度情報を得て, それを画面にグラフィカルに表示する. 塩分情報の表示方式を図\ref{fig:bargraph} に示す. 図のように, 手元側と遠隔地側の塩分濃度を同時に表示させて 簡単に両者を比較させることができるようなバーグラフ表示をする. 遠隔地の塩分濃度はバー上部にある三角形で示し,手元側の塩分濃度を バーで示している. Javaプログラムは, Web上のテキストファイルを100msおきに読み込み, バーグラフを更新する. これにより,塩分濃度が変化するとほぼリアルタイムに表示が 更新される. 表示を更にわかりやすくするため, 2つの塩分濃度の差によりバーの色が変化するよう工夫した. すなわち,差が小さければバーの色が黄色になり,大きければ赤色となる. また,差が非常に小さな値になったときにはそれを知らせるためのアラーム音が 鳴る.これにより,調理者は画面を見なくても塩分濃度が近くなっていることを 把握することができる. %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{figure}[tb] \begin{center} %\epsfile{file=Image025.eps,width=70mm} \epsfxsize=70mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{Image025.eps} \caption{実際の表示例.相手側の映像と塩分濃度バーグラフが表示される.} %和文 caption \ecaption{Actual example of the display. Live view and salinity bar-graph.} %英 文 caption \label{fig:LCD} \end{center} \end{figure} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{figure}[tb] \begin{center} %\epsfile{file=Image028.eps,width=70mm} \epsfxsize=70mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{cook-ocha3.eps} \vspace{5mm} \epsfxsize=70mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{Image028.eps} \caption{遠隔調味実験の様子. 調理の手本を示しているキッチン(上)と, それを見ながら調理する遠隔地キッチン(下). } %和文 caption \ecaption{ Remote seasoning between distant kitchens with cooking instractor (upper) and learnner (lower). } %英文 caption \label{fig:ocha} \end{center} \end{figure} %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \begin{figure}[tb] \begin{center} %\epsfile{file=cook-ocha2.eps,width=70mm} \epsfxsize=70mm %横方向のサイズの指定 %\epsfysize=80mm %縦方向のサイズの指定 \epsfbox{cook-ocha2.eps} \caption{鍋に塩分センサを入れて測定している様子. } %和文 caption \ecaption{ Measuring salinity of soup in a pot. } %英文 caption \label{fig:ocha2} \end{center} \end{figure} %謝辞%%%%%%%%% %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{遠隔調味の実験} %キッチンにコンピュータネットワークを組み込むことで, %遠隔地とのコミュニケーションが実現できる.そこで, %キッチンの場におけるコミュニケーションを支援する目的で, 本システムの有用性を確認するために, 遠隔地の2カ所のキッチン \footnote{お茶の水女子大学(東京都文京区)と筑波大学(茨城県つくば市)に設置したキッ チン} に,本システムとビデオ対話システムを実装し, これを利用して遠隔地からの調理支援の実験を行った. ビデオ対話システムには,一般に配布されているソフトウェアである Skypeを利用した.これにより映像と音声での対話を実現した. 本システムが稼働している画面の様子を図\ref{fig:LCD}に示す. このシステムを利用し,遠隔地で同じ味の味噌汁を作る実験を行った. 図\ref{fig:ocha}に示すように, 遠隔地の片方のキッチンで手本を示して, 一方のキッチンでその指示に従い調理を行った. また,今回の実験では,同時進行で調理を行うので, 食材の温度が同じであると仮定し,温度補正は行っていない. レシピ,具材共に同じものを同量使い調理を進め, 味噌の量を調整する場面で,本システムを利用して, 塩味を調節した. 図\ref{fig:ocha2}に,味噌汁の塩分濃度を計測している様子を示す. %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% %\section{検証} バーグラフによる味付け支援は分かり易く, 容易に調味作業をすすめることが出来た. しかしながら,現在の塩味センサに問題があり, 長時間の作業を進めるうちに測定値にばらつきが生じ, 結果としては正確な調味の一致を行うことが出来なかった. 実験後に塩味センサ部分を調査したところ, 絶縁性能が劣化しており,絶縁体部分から食材が染み込み 正確な抵抗値を測定できなくなっていた可能性が判明した. 今後は防水性の高い電極を検討する必要があると考えている. また,予備実験において,長時間塩味センサを使用すると, センサの電極部分から電気分解による気泡が発生する現象も 確認されている. 気泡により電気抵抗値が変化するため,このことも センサの精度に影響を与えている可能性がある. 今後はセンサに加える電圧をPICで制御して, 測定時のみ電流を流すよう改良し,電気分解を極力減らす 必要があると考えている. システムの表示部分については, 塩分濃度を示すバーグラフの上にビデオ映像を出したことで, 映像と音声により実際に対面した状況に近い状態で調理支援ができた. バーグラフの表示は, 目標地点がわかりやすく, 表示がシンプルで見やすいという意見があった. また, 相手側が示している目標濃度に到達し バーグラフが一致したときに音で知らせる機能により, グラフバーを常時確認する必要がなく, 手元の作業に集中して調理できることが確認できた. 塩味センサがあることで安心感が得られ, 初心者でも楽しく調理できるシステムになると考えている. その一方で,指導者側の測定値が変動することで, 目標濃度の印の位置も頻繁に更新されるために, 定位置にとどまらず, 正確な濃度が相手に伝わりにくいという問題点もある. このため,目標地点のバーが微妙ながら動くため, 戸惑う場面が見受けられた. 手本の値を指定した後は,更新せず保持する機能の実装が必要であろう. 今回のシステムでは,塩味センサを手に持ちながら調理を進める必要があった. 塩味センサが鍋の取っ手や,菜箸にあらかじめついていれば, より調理がしやすく, また正確に濃度を計測できることが可能になるであろう. %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% %%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%%% \section{まとめと今後の課題} 遠隔地にあるキッチンで, 同じ塩味の調理を行うことを支援する目的で, ネットワークで塩味情報を交換できるシステムを開発した. 本システムは,液状の食材の電気抵抗と温度を測定し, この情報をネットワーク経由で交換し, 遠隔地と手元の塩分情報をグラフィカルに表示するシステムである. 本システムを実際の調理で試用したところ, 塩味センサ部分に改良の余地があるものの, ネットワーク機能と濃度表示機能が有用であることを確認できた. 今後は,塩味センサ部分の改良を行い, 表示方式にも改良を加え, さらに実用性の高いシステムの構築を目指したい. また,ネットワークやDVDなどで提供される 料理指導コンテンツと連携することで, 料理専門家が意図したとおりの味付けを作るシステム の実現も計画している. \section*{謝辞} 本件研究は,科学研究費補助金(基盤研究 C および基盤研究 B)および,クリナップ (株) からの 研究奨励金の支援を受けた. ここに記して謝意を表する. %%%%%%%%%%%%%%%%% \bibliography{siio} \bibliographystyle{bst/kenkyukai} %%%%%%%%%%%% \end{document}