1回目正解(○)の数をA, 不正解(×)の数をBとする。 2回目それぞれが正解と不正解になった数をA→A, A→B, B→A, B→Bなどとする(→は頭に付ける)。 これらの数字は実験結果の値で既知。
この数値の変化が学習効果を表す
英単語には、
の二種類がある。 後者の単語であっても、 あてずっぽに選んで運良く正答したり、 うろ覚えで絞り込んだ選択肢から解答することで正答したり、 語感や単語の一部から推測することで正答できる可能性がある。 また同じ単語に対して選択肢試験を複数回おこなうことで学習が進み正答率が向上すると考えられる。 そこで、後者の単語に対する選択肢試験において、学習者が正答できる率が向上すれば、学習効果があったと考えることができる。
1回目のテスト実施以前(初期状態)で、知らない、または完璧には知っていない単語数をXとする。 ここで単語総数をNとすると、(N-X)が、初期状態で完璧に知っている単語数である。
1回目のテストでは、(N - X) の単語は正解出来るが、 X個の単語は1回目テストの正解率αで正解になり、(1-α)の率で不正解になる。
2回目のテストでも同様に、Rの単語は正解出来るが、 それ以外の単語は正解率βで正解になり、(1-β)の率で不正解になる。
βはBとB→Aの比から以下になる。
αはBの式とA→Bの式からXを消去して以下になる。
前回の結果からαとβを算出すると、以下の結果が得られる。夜朝の順で学習すると、それ以外の場合に比べて1.5倍程度効率が良いとの結論が得られる。
セッション順 | 正解率の上昇(%) |
夜→朝 | 44.7 |
朝→昼 | 33.3 |
昼→夜 | 29.7 |
念のために検算してみる。XをA→Aの値から計算すると以下になる。
これですべての変数が決まるので、これを使ってA→A, A→B, B→A, B→Bを計算してみた。一致する。